自然免疫応答の制御における細胞内分解系の役割
「1. はじめに」 自然免疫機構は, 病原体に特有の成分をパターン認識受容体により感知し, 炎症性サイトカインやI型インターフェロンの産生を介してその排除を行う重要な防御機構である. その一方で, 自然免疫機構は自己代謝物や環境汚染物質などにもパターン認識受容体を介して反応するため, 炎症による組織障害を惹起して, 生活習慣病や呼吸器疾患などの炎症性疾患の発症要因となる. よって, 自然免疫を十分に理解したうえで, 自然免疫の活性が不十分なときにはそれを補完し, また活性が強すぎるときにはそれを抑制する手法を開発することが, 感染症, 生活習慣病や呼吸器疾患などの様々な疾患の治療法確立につなが...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2014/11/01, Vol.134(11), pp.1157-1164 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」 自然免疫機構は, 病原体に特有の成分をパターン認識受容体により感知し, 炎症性サイトカインやI型インターフェロンの産生を介してその排除を行う重要な防御機構である. その一方で, 自然免疫機構は自己代謝物や環境汚染物質などにもパターン認識受容体を介して反応するため, 炎症による組織障害を惹起して, 生活習慣病や呼吸器疾患などの炎症性疾患の発症要因となる. よって, 自然免疫を十分に理解したうえで, 自然免疫の活性が不十分なときにはそれを補完し, また活性が強すぎるときにはそれを抑制する手法を開発することが, 感染症, 生活習慣病や呼吸器疾患などの様々な疾患の治療法確立につながるものと考えられる. 筆者らは, 様々な生体応答に係わる細胞内分解系に着目した研究を通じて, 自然免疫の制御機構と病態生理的な役割の解明を独自の観点から行ってきた. 本総説では, 自然免疫と細胞内分解系に関する筆者らの主要な研究業績について解説する. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.14-00195 |