味覚センサを用いた医薬品の服用性の総合評価

「1. はじめに」「良薬口に苦し」という言葉から, 医薬品の味と言えば, 内服薬である散剤などの苦味を想定するであろう. キニーネなどの苦味を持つアルカイドは毒のシグナルとしての意義を持ち, 多くの医薬品はなんらかの苦味を持っている場合が多い. しかしながら, 一口に医薬品といっても, 内服薬, 苦味アミノ酸を含む経腸栄養剤, 漢方薬(生薬成分を含む), ドリンク剤など医薬品は多様な服用性, 苦味を呈する. それらはときとして患者のコンプライアンスを大きく損ねる. したがって, 薬物自体や剤形としての医薬品の苦味を含めた味を正しく評価し, それらを数値化することは, 服用し易い医薬品をつくると...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2014/03/01, Vol.134(3), pp.317-323
1. Verfasser: 内田, 享弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」「良薬口に苦し」という言葉から, 医薬品の味と言えば, 内服薬である散剤などの苦味を想定するであろう. キニーネなどの苦味を持つアルカイドは毒のシグナルとしての意義を持ち, 多くの医薬品はなんらかの苦味を持っている場合が多い. しかしながら, 一口に医薬品といっても, 内服薬, 苦味アミノ酸を含む経腸栄養剤, 漢方薬(生薬成分を含む), ドリンク剤など医薬品は多様な服用性, 苦味を呈する. それらはときとして患者のコンプライアンスを大きく損ねる. したがって, 薬物自体や剤形としての医薬品の苦味を含めた味を正しく評価し, それらを数値化することは, 服用し易い医薬品をつくるという観点から重要である. 一方, 薬物の苦味を知るためのヒトによる官能試験は, 安全性の情報が不足している開発初期の薬物においては実施不可能であり, 上市後の薬物であっても倫理的な観点から簡単ではない.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.13-00234-3