アルツハイマー病の根本的治療を目指した治療標的の探索と双方向性橋渡し研究

「1. はじめに」 現在, 日本の85歳以上の3人に1人は認知症に罹患しており, その原因疾患の約65%がアルツハイマー病(Alzheimer's disease ; AD)であるといわれている. 1) また, 既に日本は世界一の少子高齢化社会を迎えているが, 団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)へと移行する2025年までには, 高齢化への移行の早さだけでなく高齢者の人数の多さが問題となり, 超少子高齢化社会へと突入していく. この社会環境のめまぐるしい変遷の中で, 今後さらに懸念される問題は医療費の国家予算圧迫と介護労働力の不足である. 加齢を最大の危険因子とし, 高度介護を必要と...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2013/12/01, Vol.133(12), pp.1389-1399
1. Verfasser: 高田, 和幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 現在, 日本の85歳以上の3人に1人は認知症に罹患しており, その原因疾患の約65%がアルツハイマー病(Alzheimer's disease ; AD)であるといわれている. 1) また, 既に日本は世界一の少子高齢化社会を迎えているが, 団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)へと移行する2025年までには, 高齢化への移行の早さだけでなく高齢者の人数の多さが問題となり, 超少子高齢化社会へと突入していく. この社会環境のめまぐるしい変遷の中で, 今後さらに懸念される問題は医療費の国家予算圧迫と介護労働力の不足である. 加齢を最大の危険因子とし, 高度介護を必要とするADは, この人口少子高齢化に伴う社会問題を生み出す中核的原因疾患の1つであることは間違いない. 2011年には日本でも3種類のAD治療薬(ガランタミン, リバスチグミン及びメマンチン)の使用が認可され, 先行していた塩酸ドネペジルを含めると合計4種類の薬物が臨床使用できるようになった.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.13-00219