バイオディフェンス—免疫システム分子制御の新たな局面

感染症や免疫疾患に対して, 抗生物質や免疫抑制薬など画期的な化学物質を用いた薬物治療が展開され, 現在においても新しい分子構造, 作用機序を有する医薬品が誕生してきた. また, 感染症に対しては新規化合物, ワクチンなども一段と期待を集め, 新しい創薬技術開発が進んでいる. しかし, 新興感染症1,2), 切再興感染症3)のみならず, これまで人類の健康を脅かし続けている病原体についての生物学的理解は十分とは言えない状況である. さらに, これらと立ち向かうヒトの免疫システムについても, 病原体への防御のみならず, 自己の免疫システムをいかに制御するかということも臨床的な課題として重要性を増し...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2013/11/01, Vol.133(11), pp.1143-1144
Hauptverfasser: 芝崎, 誠司, 青木, 航, 植田, 充美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:感染症や免疫疾患に対して, 抗生物質や免疫抑制薬など画期的な化学物質を用いた薬物治療が展開され, 現在においても新しい分子構造, 作用機序を有する医薬品が誕生してきた. また, 感染症に対しては新規化合物, ワクチンなども一段と期待を集め, 新しい創薬技術開発が進んでいる. しかし, 新興感染症1,2), 切再興感染症3)のみならず, これまで人類の健康を脅かし続けている病原体についての生物学的理解は十分とは言えない状況である. さらに, これらと立ち向かうヒトの免疫システムについても, 病原体への防御のみならず, 自己の免疫システムをいかに制御するかということも臨床的な課題として重要性を増している. 今後, ヒトの免疫システムを最大限に発揮し, 多様な感染症や免疫疾患に対応するには, 宿主・寄生体の関係を超えた免疫と病原体の総合的な理解を基にした, 新しい創薬プラットフォーム技術の開発が重要であると考えられる. 免疫学分野は基礎から臨床まで含めると, 非常に幅のある学問領域である.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.13-00212-F