患者・消費者を対象とした医薬品情報収集・提供ネットワークの構築

「序論」育薬は, 医薬品開発において必要不可欠なプロセスである. 育薬を推進するためには, 市販後に医薬品の有効性・安全性に加えて, 患者の服薬コンプライアンスに影響を与える因子である医薬品の色・味・大きさなどの使用感や使い勝手1, 2)に対する患者ニーズに関する情報も収集することが重要である. これらの市販後の医薬品情報を患者から収集する主な担い手は, 医療従事者や製薬企業, 行政だが, その情報収集には多くの課題がある. 医療従事者は, 多忙さに起因する診察時間の制約3, 4)や患者とのコミュニケーション問題5, 6)などから, 患者と直に接しているにもかかわらず, 十分に情報を引き出せて...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2013/09/01, Vol.133(9), pp.1023-1034
Hauptverfasser: 栗本, 蕗, 堀, 里子, 佐藤, 宏樹, 三木, 晶子, 澤田, 康文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「序論」育薬は, 医薬品開発において必要不可欠なプロセスである. 育薬を推進するためには, 市販後に医薬品の有効性・安全性に加えて, 患者の服薬コンプライアンスに影響を与える因子である医薬品の色・味・大きさなどの使用感や使い勝手1, 2)に対する患者ニーズに関する情報も収集することが重要である. これらの市販後の医薬品情報を患者から収集する主な担い手は, 医療従事者や製薬企業, 行政だが, その情報収集には多くの課題がある. 医療従事者は, 多忙さに起因する診察時間の制約3, 4)や患者とのコミュニケーション問題5, 6)などから, 患者と直に接しているにもかかわらず, 十分に情報を引き出せていないと考えられている. 製薬企業はくすり相談窓口を設けているが, その認知度と利用率は低く, 7) 市販後の医薬品情報を患者から直接収集する上で有用なツールとは言い難い. そもそも医薬品業界においては, 法規制8)や医療用医薬品プロモーションコードなどの制約から, 患者・消費者を対象とした自社製品に関する市場調査はほとんど行われておらず, 製薬企業が患者ニーズを聞き取る機会は少ない.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.13-00008