薬毒物代謝研究48年を振り返って —カネミ油症事件から環境ホルモン問題まで
「1. はじめに」 薬毒物代謝は体内に摂取された医薬品を始め各種環境化学物質を含む, いわゆる生体異物(xenobiotics)を極性化して体外排泄を促進しようとする一種の自己防御機構である. 薬毒物代謝を担う様々な酵素種による代謝変換は化学構造の変化を通して本来の生物活性の変動をもたらすため, 薬毒物による薬効・毒性発現の最も重要な影響因子となる. 筆者の薬毒物代謝との係わりは1965年4月, 当時わが国における薬毒物代謝研究の草分け的位置にあった九州大学薬学部衛生化学・裁判化学講座に修士課程の大学院生として籍を置いたときから始まった. そしてまず, 学位論文となった中枢神経興奮薬proli...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2013, Vol.133(7), pp.747-772 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」 薬毒物代謝は体内に摂取された医薬品を始め各種環境化学物質を含む, いわゆる生体異物(xenobiotics)を極性化して体外排泄を促進しようとする一種の自己防御機構である. 薬毒物代謝を担う様々な酵素種による代謝変換は化学構造の変化を通して本来の生物活性の変動をもたらすため, 薬毒物による薬効・毒性発現の最も重要な影響因子となる. 筆者の薬毒物代謝との係わりは1965年4月, 当時わが国における薬毒物代謝研究の草分け的位置にあった九州大学薬学部衛生化学・裁判化学講座に修士課程の大学院生として籍を置いたときから始まった. そしてまず, 学位論文となった中枢神経興奮薬prolintaneの代謝研究を通してN-アルキル置換ピロリジン(nicotineなど)が肝ミクロソーム酵素(CYP)と肝可溶性酵素の両者による連続的酸化反応によりラクタム型代謝物(cotinineなど)へと変換される代謝様式の普遍性を明らかにした. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.13-00100 |