植物抽出混合物における抗腫瘍作用について

[1.はじめに] 現在, 悪性腫瘍は日本で死亡原因の第一位であり, これまでに腫瘍, 抗腫瘍剤に関する多くの基礎及び臨床研究がされてきたが, いまだ完治に至っていない. がん治療は, がん部位を切除する外科療法, 放射線でがん細胞の増殖を阻害する放射線療法, 抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)でがん細胞の増殖を阻害する化学療法などが主流である. 抗がん剤による化学療法も盛んに行われているが, 一般的に, (1)副作用が強いこと, (2)有効域と中毒域の差が狭いこと, (3)薬剤耐性細胞の発生リスクがあること, (4)副作用により患者のquality of life (QOL)が低下することなどの問題点が...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2013/05/01, Vol.133(5), pp.487-491
Hauptverfasser: 比留間, 航, 駿河, 康平, 門倉, 一成, 富田, 剛, 関野, 芳弘, 小松, 靖弘, 木村, 公彦, 小野, 信文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[1.はじめに] 現在, 悪性腫瘍は日本で死亡原因の第一位であり, これまでに腫瘍, 抗腫瘍剤に関する多くの基礎及び臨床研究がされてきたが, いまだ完治に至っていない. がん治療は, がん部位を切除する外科療法, 放射線でがん細胞の増殖を阻害する放射線療法, 抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)でがん細胞の増殖を阻害する化学療法などが主流である. 抗がん剤による化学療法も盛んに行われているが, 一般的に, (1)副作用が強いこと, (2)有効域と中毒域の差が狭いこと, (3)薬剤耐性細胞の発生リスクがあること, (4)副作用により患者のquality of life (QOL)が低下することなどの問題点があり, 患者自身が抗がん剤治療を選択することを躊躇する場合も多い. これらの問題を軽減するため, 東洋医学(漢方薬)や栄養学(食事療法)による治療法の併用が行われている. 特に十全大補湯, 補中益気湯などの漢方処方は, 抗がん剤と併用することで, (1)抗がん効果の増強, (2)副作用の軽減, (3)薬剤耐性細胞の発生リスクの軽減, (4)患者のQOLの向上などの効果が期待され, 一定の成果を上げている.1,2)
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.12-00278-1