薬食同源の視点から薬用食品の生体機能成分の探索 ─エジプトニガウリの細胞増殖抑制活性成分と標的分子の解明

「1. はじめに」 最近の健康志向の高まりに伴って, 健康食品や機能性食品, 特定保健用食品などの, 味や栄養のほかに新しい機能として生体調節効果を有する食品の開発が盛んに進められてきている. このような, 食物に生体調節機能といった薬効を期待する考え方は, 決して最近あらわれてきたものではなく, 生薬学域では薬食同源(医食同源)の思想として数千年前から知られている常識と言っても過言ではない. 特に, エジプトは7000年におよぶ世界最古の歴史を有し, 多数の食品としても利用される伝承薬物の存在が知られている. しかし, これらエジプトで伝承されている薬用食品は体系づけられた医学書や記述などの...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2012, Vol.132(9), pp.1063-1067
1. Verfasser: 中村, 誠宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 最近の健康志向の高まりに伴って, 健康食品や機能性食品, 特定保健用食品などの, 味や栄養のほかに新しい機能として生体調節効果を有する食品の開発が盛んに進められてきている. このような, 食物に生体調節機能といった薬効を期待する考え方は, 決して最近あらわれてきたものではなく, 生薬学域では薬食同源(医食同源)の思想として数千年前から知られている常識と言っても過言ではない. 特に, エジプトは7000年におよぶ世界最古の歴史を有し, 多数の食品としても利用される伝承薬物の存在が知られている. しかし, これらエジプトで伝承されている薬用食品は体系づけられた医学書や記述などの情報に乏しく, また伝承薬効の薬理学的証明や含有成分の化学的研究などの科学的調査研究はほとんど行われていない. すなわち, エジプトで伝承されている薬用食品は現代においても依然繁用されているにもかかわらず, その詳細は未解明な研究素材が多く, 新たな医薬シード化合物の開拓が期待される.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.132.1063