光重合性アクリルアミドを利用したマイクロチップ電気泳動における新規オンライン濃縮電気泳動法の開発

「1. はじめに」 マイクロチップ電気泳動(ME)は, 一辺が数cmの基盤上に幅50-200μm, 深さ5-150μmの様々な形状の流路を構築し, 試料の導入と分離を一度に行えるようにしたものが主流である. 1) 分離系全体が微小化されており, 1回の分析に要する試料量, 泳動液量がナノリットルからマイクロリットルオーダーであり, 分析時間も数秒から数分というハイスループットな分析法として利用されている. 2) 今後はバイオマーカー測定など, 臨床診断への応用が求められている3)が, MEでは導入する試料溶液の体積がピコリットルからナノリットルと極めて微量であるため, 必然的に高濃度の試料が必...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2012/09/01, Vol.132(9), pp.1031-1035
1. Verfasser: 山本, 佐知雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 マイクロチップ電気泳動(ME)は, 一辺が数cmの基盤上に幅50-200μm, 深さ5-150μmの様々な形状の流路を構築し, 試料の導入と分離を一度に行えるようにしたものが主流である. 1) 分離系全体が微小化されており, 1回の分析に要する試料量, 泳動液量がナノリットルからマイクロリットルオーダーであり, 分析時間も数秒から数分というハイスループットな分析法として利用されている. 2) 今後はバイオマーカー測定など, 臨床診断への応用が求められている3)が, MEでは導入する試料溶液の体積がピコリットルからナノリットルと極めて微量であるため, 必然的に高濃度の試料が必要となる. しかも現状のように電気的に試料を導入すると, 泳動速度に差がある試料では定量性に問題がある. これらの試料導入の問題を解決するため, マイクロチップ用の様々なオンライン濃縮法が開発されている. 中でも流路上に特殊な濃縮系を構築するperm-selective濃縮法4-9)は, 極めて濃縮効率が高い.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.132.1031