ビスホスホネート剤の前立腺がん細胞に対する抗がん作用

「1. はじめに」 ビスホスホネート剤は骨粗鬆症や高カルシウム血症の治療薬として世界的に広く使用されている薬剤である. ビスホスホネート剤は生体内物質ピロリン酸のP-O-P構造に類似したP-C-P構造を持ち, この2つのリン酸基を介してカルシウムと結合するため, カルシウムが豊富に存在している骨に高濃度に蓄積する性質を示す. また, ビスホスホネート剤はその骨格中の炭素に付加された側鎖の違いにより活性が大きく異なることが知られ, 現在までに数多くが開発されている. Figure 1に示すように, 側鎖に窒素を含まないエチドロネート等の第一世代, 側鎖中に窒素を含むパミドロネート, アレンドロネ...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2012/09/01, Vol.132(9), pp.1025-1030
1. Verfasser: 井口, 和弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 ビスホスホネート剤は骨粗鬆症や高カルシウム血症の治療薬として世界的に広く使用されている薬剤である. ビスホスホネート剤は生体内物質ピロリン酸のP-O-P構造に類似したP-C-P構造を持ち, この2つのリン酸基を介してカルシウムと結合するため, カルシウムが豊富に存在している骨に高濃度に蓄積する性質を示す. また, ビスホスホネート剤はその骨格中の炭素に付加された側鎖の違いにより活性が大きく異なることが知られ, 現在までに数多くが開発されている. Figure 1に示すように, 側鎖に窒素を含まないエチドロネート等の第一世代, 側鎖中に窒素を含むパミドロネート, アレンドロネート等の第二世代, 側鎖中に窒素を含みかつ環状構造をとるリセドロネート, ミノドロネート, インカドロネート, ゾレドロネート等の第三世代の化合物がある. ビスホスホネート剤の骨粗鬆症治療薬としての作用機序は, 破骨細胞の活性阻害による骨吸収抑制作用として理解できる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.132.1025