アスピリンと非ステロイド性消炎鎮痛薬との併用に関する調査

「緒言」血小板は止血機構において重要な機能を担っており, その機能亢進は心筋梗塞, 狭心症, 脳血管障害等における病的血栓形成に深く関与している.1) そのため, これら血栓性疾患の治療に抗血小板薬が汎用され, その中でもアスピリンは作用発現が速やかで作用持続時間が長い薬物として有用である.2) アスピリンの抗血小板作用に影響を及ぼす要因の1つに, 非ステロイド性消炎鎮痛薬(以下, NSAIDs)との薬物間相互作用が報告されている.3-5) NSAIDsは医療用医薬品や一般用医薬品として汎用されており, その作用は主に炎症部位で誘導されるシクロオキシゲナーゼ(以下, COX)-2を可逆的に阻害...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2011/07/01, Vol.131(7), pp.1073-1077
Hauptverfasser: 伊藤, 直子, 横山, 晴子, 添田, 真司, 鈴木, 優司, 池田, 紀之, 徳岡, 健太郎, 渡邊, 昌之, 北川, 泰久, 山田, 安彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」血小板は止血機構において重要な機能を担っており, その機能亢進は心筋梗塞, 狭心症, 脳血管障害等における病的血栓形成に深く関与している.1) そのため, これら血栓性疾患の治療に抗血小板薬が汎用され, その中でもアスピリンは作用発現が速やかで作用持続時間が長い薬物として有用である.2) アスピリンの抗血小板作用に影響を及ぼす要因の1つに, 非ステロイド性消炎鎮痛薬(以下, NSAIDs)との薬物間相互作用が報告されている.3-5) NSAIDsは医療用医薬品や一般用医薬品として汎用されており, その作用は主に炎症部位で誘導されるシクロオキシゲナーゼ(以下, COX)-2を可逆的に阻害してプロスタグランジン(以下, PG)産生を抑制することによる消炎鎮痛作用である.6) COX-2は活性化マクロファージや滑膜細胞においてサイトカイン等の炎症調節物質により誘導される.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.131.1073