天然多糖類を用いて調製したメトロニダゾールフィルムの特性

「緒言」メトロニダゾール(MZ)は抗原虫薬としてトリコモナス症治療に用いられるだけでなく, 胃・十二指腸潰瘍時のH. pylori除菌薬として内服錠等で使用される. また, 皮膚疾患の治療にもMZが用いられ, 脂漏性の皮膚炎に対してゲル製剤を適用した場合の効果が認められている.1-4) MZは神経毒性などの副作用のため使用に配慮を必要とするものの,5,6) 製剤学的な工夫がなされることで, より有用性が増す薬物の1つである.7) 筆者らもH. pyloriをターゲットとしたMZ含有胃内滞留性製剤を調製し, モルモットへの投与における薬物の胃粘膜到達性の向上について報告した.8,9) 近年, が...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2010/12/01, Vol.130(12), pp.1755-1759
Hauptverfasser: 村田, 慶史, 礒部, 隆史, 小藤, 恭子, 毎田, 千恵子, 宮本, 悦子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」メトロニダゾール(MZ)は抗原虫薬としてトリコモナス症治療に用いられるだけでなく, 胃・十二指腸潰瘍時のH. pylori除菌薬として内服錠等で使用される. また, 皮膚疾患の治療にもMZが用いられ, 脂漏性の皮膚炎に対してゲル製剤を適用した場合の効果が認められている.1-4) MZは神経毒性などの副作用のため使用に配慮を必要とするものの,5,6) 製剤学的な工夫がなされることで, より有用性が増す薬物の1つである.7) 筆者らもH. pyloriをターゲットとしたMZ含有胃内滞留性製剤を調製し, モルモットへの投与における薬物の胃粘膜到達性の向上について報告した.8,9) 近年, がん支援薬のニーズとともに各種の製剤開発が試みられているが, 乳がんの皮膚転移時に発生する潰瘍が起因となる悪臭対策のためにMZの塗布がなされる. MZは皮膚表面において悪臭の原因となる嫌気性菌(Bacteroides fragilis等)の増殖抑制に関与するとされ,10) 例えば, 試薬あるいはMZ錠剤を研和後, 基剤等を添加してマクロゴール軟膏やクリームが院内製剤され, 1日1回, 1週間程度の臨床使用において患者のクオリティオブライフの改善が報告されている.11,12)
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.130.1755