iPS細胞への遺伝子導入を用いた分化誘導の最適化

「1. はじめに」幹細胞(stem cells)は自己複製能と分化多能性という大きく2つの特徴を有する細胞であり, 目的の細胞へ分化させることにより創薬や再生医療への応用が期待されている. 再生医療への応用が期待されている幹細胞には, 造血幹細胞, 神経幹細胞, 間葉系幹細胞, ES(embryonic stem)細胞, iPS(induced pluripotent stem)細胞などがある. このうち, ES細胞は受精卵(胚)から樹立され, iPS細胞は体細胞に4種の遺伝子(Oct-3/4m Sox2, Klf4, c-Myc)を導入することにより作製される. しかしながら, ES細胞やi...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2010/11/01, Vol.130(11), pp.1527-1534
Hauptverfasser: 川端, 健二, 田代, 克久, 水口, 裕之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」幹細胞(stem cells)は自己複製能と分化多能性という大きく2つの特徴を有する細胞であり, 目的の細胞へ分化させることにより創薬や再生医療への応用が期待されている. 再生医療への応用が期待されている幹細胞には, 造血幹細胞, 神経幹細胞, 間葉系幹細胞, ES(embryonic stem)細胞, iPS(induced pluripotent stem)細胞などがある. このうち, ES細胞は受精卵(胚)から樹立され, iPS細胞は体細胞に4種の遺伝子(Oct-3/4m Sox2, Klf4, c-Myc)を導入することにより作製される. しかしながら, ES細胞やiPS細胞を直接生体に移植するには困難な場合も多く, マウス生体に投与するとランダムに分化しテラトーマ(奇形腫)を形成する. したがって, 治療目的には幹細胞をin vitroで目的の細胞に分化させた後生体に移植することが望ましいと考えられる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.130.1527