新入生の化学の基礎学力向上を目的とした追跡調査

「緒言」6年制薬学教育の目的は, 医療人として質の高い薬剤師を養成することである. これを実現するために, 近年, 生命倫理・医療倫理, 1-4)課題発見能力・問題解決能力, 5-8)コミュニケーション力9-12)など専門知識の修得とは異なる領域に関する教育にも力が注がれている. これは, 医療人教育の改革の一環として取り組まれた薬学教育モデル・コアカリキュラムに, 「ヒューマニズム」などのコースが盛り込まれたことに端を発するものである. さらに, 6年制薬学教育では, 臨床現場における長期実務実習の履修が義務付けられたことにより, 専門知識に加えて臨床に係わる実践的能力も求められている. 一...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2010/08/01, Vol.130(8), pp.1041-1052
Hauptverfasser: 佐藤, 厚子, 諸根, 美恵子, 東, 裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」6年制薬学教育の目的は, 医療人として質の高い薬剤師を養成することである. これを実現するために, 近年, 生命倫理・医療倫理, 1-4)課題発見能力・問題解決能力, 5-8)コミュニケーション力9-12)など専門知識の修得とは異なる領域に関する教育にも力が注がれている. これは, 医療人教育の改革の一環として取り組まれた薬学教育モデル・コアカリキュラムに, 「ヒューマニズム」などのコースが盛り込まれたことに端を発するものである. さらに, 6年制薬学教育では, 臨床現場における長期実務実習の履修が義務付けられたことにより, 専門知識に加えて臨床に係わる実践的能力も求められている. 一方, 平成20年12月の文部科学省中央教育審議会の答申「学士課程教育の構築に向けて」では, 高等学校での履修状況や入試方法の多様化などを背景に, 入学者のあり方が変容していること, また, 大学教員の6割を超える教員が「学力低下」を問題視しているという実態が報告されている. 13)これは少子高齢化や教育制度改革の結果の1つとして表面化してきたことであると考えられるが, 6年制薬学教育が始まったばかりの今, 大きな不安を感じる報告でもある.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.130.1041