天然物のウイルス感染症に対する有用性の評価と応用

「1. はじめに」C型肝炎ウイルス(HCV)感染症を治療面からみると, いくつかの特徴がある. その1つは, エイズウイルス(HIV)感染症と同様に, 慢性ウイルス感染症であるという点である. HIVは, 自らの逆転写酵素によってウイルスRNAをDNAに逆転写し, これをヒト染色体中に挿入するため, 遺伝情報は終生存続することになり, 現行の薬剤を用いてもHIV感染症は根治不能である. これに対して, HCV感染症は, 根治可能である. 1) また, 2つ目の特徴として治療薬が挙げられる. すなわち, 代表的な抗ウイルス薬として, 単純ヘルペスウイルス1型, 2型及び水痘・帯状疱疹ウイルスのD...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2010/02/01, Vol.130(2), pp.171-176
Hauptverfasser: 林, 京子, 林, 利光, 李, 貞範
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」C型肝炎ウイルス(HCV)感染症を治療面からみると, いくつかの特徴がある. その1つは, エイズウイルス(HIV)感染症と同様に, 慢性ウイルス感染症であるという点である. HIVは, 自らの逆転写酵素によってウイルスRNAをDNAに逆転写し, これをヒト染色体中に挿入するため, 遺伝情報は終生存続することになり, 現行の薬剤を用いてもHIV感染症は根治不能である. これに対して, HCV感染症は, 根治可能である. 1) また, 2つ目の特徴として治療薬が挙げられる. すなわち, 代表的な抗ウイルス薬として, 単純ヘルペスウイルス1型, 2型及び水痘・帯状疱疹ウイルスのDNA合成阻害剤アシクロビル, HIVの逆転写酵素阻害剤アジドチミジン, インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ阻害剤オセルタミビル等がある. これらの薬剤を含めて, 現在までに認可されている抗ウイルス薬のほとんどは, その作用標的が明確になっている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.130.171