分子ディスプレイによる創薬基盤技術の展開

「1. はじめに」ウイルスや微生物の表層にタンパク質分子やペプチド分子を提示させる分子ディスプレイ法, 特にファージディスプレイは種々の生命現象を支配する細胞内外での分子間相互作用の解明や, 創薬研究の一端を担ってきた.1,2) 現在, ファージディスプレイを駆使するための知見は数多く蓄積され, 生理活性を有する分子リガンドや医薬として機能し得るタンパク質・ペプチド分子が取得されるに至っている.3) 今後デノミクスやプロテオミクスにより得られた情報は, ファージディスプレイを用いた新機能分子の創出を加速するものと思われるが, 後発のリボソームディスプレイや酵母ディスプレイなどにより, ファージ...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2009/11/01, Vol.129(11), pp.1333-1340
1. Verfasser: 芝崎, 誠司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」ウイルスや微生物の表層にタンパク質分子やペプチド分子を提示させる分子ディスプレイ法, 特にファージディスプレイは種々の生命現象を支配する細胞内外での分子間相互作用の解明や, 創薬研究の一端を担ってきた.1,2) 現在, ファージディスプレイを駆使するための知見は数多く蓄積され, 生理活性を有する分子リガンドや医薬として機能し得るタンパク質・ペプチド分子が取得されるに至っている.3) 今後デノミクスやプロテオミクスにより得られた情報は, ファージディスプレイを用いた新機能分子の創出を加速するものと思われるが, 後発のリボソームディスプレイや酵母ディスプレイなどにより, ファージを用いる系では対応できなかった分子ディスプレイライブラリーの構築や選択法が出現し, 用途に応じた使い分けも次第に明確になり,1) それぞれが補完的な技術要素として発展しつつある. なかでも酵母分子ディスプレイでは, フローサイトメーター等ハイスループットなスクリーニングシステムを用いることで, ライブラリー細胞集団から, 望む機能を有する分子や細胞を濃縮, 若しくは単離できるという利点がある.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.129.1333