薬剤師の薬学的介入がリチウム中毒の進行を防いだ症例

「緒言」 薬剤師の臨床業務の有用性が報告され, 1)その後も薬剤管理指導業務の質の担保とその評価が数多く論じられている. 2-7) 先に筆者らは, 薬剤管理指導業務の質の担保を図るために薬学的介入の医療処置への反映度に基づいた薬剤管理指導業務評価法の開発を報告した. 8) 今回は, これに基づいた業務実践の中で, 薬物相互作用によりリチウム中毒を来たした症例に遭遇し, 薬学的介入によって早期治療策が遂行できた. 炭酸リチウム(Li2CO3)は, 躁うつ病及び躁状態に対して古くから用いられている薬剤であるが, 治療域と中毒域が非常に近いためにそれによるリチウム中毒事例が多数報告されている. 9-...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2009/08/01, Vol.129(8), pp.1007-1011
Hauptverfasser: 井出, 直仁, 後藤, 誠一, 森, 雅美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 薬剤師の臨床業務の有用性が報告され, 1)その後も薬剤管理指導業務の質の担保とその評価が数多く論じられている. 2-7) 先に筆者らは, 薬剤管理指導業務の質の担保を図るために薬学的介入の医療処置への反映度に基づいた薬剤管理指導業務評価法の開発を報告した. 8) 今回は, これに基づいた業務実践の中で, 薬物相互作用によりリチウム中毒を来たした症例に遭遇し, 薬学的介入によって早期治療策が遂行できた. 炭酸リチウム(Li2CO3)は, 躁うつ病及び躁状態に対して古くから用いられている薬剤であるが, 治療域と中毒域が非常に近いためにそれによるリチウム中毒事例が多数報告されている. 9-12) また, 日頃汎用されるNonsteroidal Anti-Inflammatory Drugs(NSAID)との併用によって中毒を来した例も多数みられる. 13-20) さらに, 高血圧や糖尿病性腎症, 心不全の治療として昨今汎用されているAngiotensin-Converting Enzyme Inhibitor(ACEI)との併用でのリチウム中毒の例も報告されている. 21-24)
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.129.1007