血管内皮細胞におけるメチルグリオキサールによるスーパーオキシドの産生

「序論」高血糖が持続する状態では, 血管が傷害を受け易く, 脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患を引き起こす. 糖尿病の3大合併症である神経障害, 網膜症, 腎症も微小血管の内皮細胞が傷害を受けて発症する. 高血糖が血管を傷害する機構は明らかではないが, 血管内皮細胞傷害には糖化最終産物(advanced glycation end products;AGEs)形成が重要視されている.1,2) AGEsは, グルコースなど還元糖のアルデヒド基とタンパク質アミノ基の非酵素的反応(糖化反応)が引き金となり, 複雑な反応を経て生成する. この反応過程ではグリオキサール, メチルグリオキサール(MG)...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2009, Vol.129(1), pp.147-153
Hauptverfasser: 立浪, 良介, 高橋, 恭兵, 大場, 達也, 丹保, 好子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「序論」高血糖が持続する状態では, 血管が傷害を受け易く, 脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患を引き起こす. 糖尿病の3大合併症である神経障害, 網膜症, 腎症も微小血管の内皮細胞が傷害を受けて発症する. 高血糖が血管を傷害する機構は明らかではないが, 血管内皮細胞傷害には糖化最終産物(advanced glycation end products;AGEs)形成が重要視されている.1,2) AGEsは, グルコースなど還元糖のアルデヒド基とタンパク質アミノ基の非酵素的反応(糖化反応)が引き金となり, 複雑な反応を経て生成する. この反応過程ではグリオキサール, メチルグリオキサール(MG), 3-デオキシグルコソンのようなジカルボニル化合物が生じる. これらのジカルボニル化合物はAGEsより反応性が高く, 血管内皮の傷害に深く関係していることが考えられる. 血管内皮細胞では特にMGが多く生成することが報告されている.3) しかし, MGをはじめとするジカルボニル化合物の血管内皮細胞への影響はいまだ十分には理解されていない.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.129.147