Argonaute2 ノックダウンによる腫瘍新生血管傷害療法の開発

「1. はじめに」 プラスミドDNA, アンチセンスオリゴヌクレオチド, small interfering RNA(siRNA)などの核酸は次世代の医薬品シーズとして有望視されている. 中でもsiRNAは, わずか20数塩基対の二本鎖RNA(double-stranded RNA:dsRNA)であるが, 標的遺伝子の発現を強力かつ特異的に抑制する機能を有する. これはRNA干渉(RNA interference:RNAi)と呼ばれる現象でその特異性と効果から, これまで治療困難だった様々な疾患への治療応用に向けて研究が活発に行われている. 特に遺伝子異常疾患であるがんにおいては, 有用な遺伝...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2008/11/01, Vol.128(11), pp.1567-1575
Hauptverfasser: 畑中, 剣太朗, 清水, 広介, 浅井, 知浩, 奥, 直人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 プラスミドDNA, アンチセンスオリゴヌクレオチド, small interfering RNA(siRNA)などの核酸は次世代の医薬品シーズとして有望視されている. 中でもsiRNAは, わずか20数塩基対の二本鎖RNA(double-stranded RNA:dsRNA)であるが, 標的遺伝子の発現を強力かつ特異的に抑制する機能を有する. これはRNA干渉(RNA interference:RNAi)と呼ばれる現象でその特異性と効果から, これまで治療困難だった様々な疾患への治療応用に向けて研究が活発に行われている. 特に遺伝子異常疾患であるがんにおいては, 有用な遺伝子治療法の1つとして注目されている. これまでRNAiによる治療法の研究例としては, がん細胞で発現が亢進している分子や特異的に発現している分子1), あるいはアポトーシスに関与する分子2)を標的としたものが挙げられる. しかしながら, がんには様々な分子が関与しており1つの分子を狙った方法では, 高い治療効果が得られないというのが現状である.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.128.1567