コトンラット胃腫瘍由来腹水性がん細胞株に対するハイブリッドリポソームの増殖抑制効果
「緒言」胃がんは, 粘膜内の分泌細胞や分泌物を胃の中に導く導管の細胞から発生し, 胃がん検診などにより発見できる大きさになるまでには何年もかかるといわれている. 腫瘍の増大に伴い, がん細胞は胃壁の中に入り込み, 漿膜やさらにその外側まで広がり大腸や膵臓に浸潤していく. 胃がんの治療は手術療法が最も有効で標準的であるが, 進行した胃がんでは外科的治療は困難なため化学療法が用いられる. 胃がんの治療に用いられる5-フルオロウラシルなどの抗がん剤は腫瘍縮小効果を示すが完全な治癒は困難であり, 重篤な副作用が問題となっている.1) そのため, 効果的で安全な制がん剤が切望されている. 小動物における...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2008/10/01, Vol.128(10), pp.1485-1492 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」胃がんは, 粘膜内の分泌細胞や分泌物を胃の中に導く導管の細胞から発生し, 胃がん検診などにより発見できる大きさになるまでには何年もかかるといわれている. 腫瘍の増大に伴い, がん細胞は胃壁の中に入り込み, 漿膜やさらにその外側まで広がり大腸や膵臓に浸潤していく. 胃がんの治療は手術療法が最も有効で標準的であるが, 進行した胃がんでは外科的治療は困難なため化学療法が用いられる. 胃がんの治療に用いられる5-フルオロウラシルなどの抗がん剤は腫瘍縮小効果を示すが完全な治癒は困難であり, 重篤な副作用が問題となっている.1) そのため, 効果的で安全な制がん剤が切望されている. 小動物における自然発生の胃がんモデルとして, 川瀬らは生後2ヵ月齢以上の雌に偏って胃腫瘍を自然発生する自然発症胃腫瘍コトンラットを発見した.2) Figure 1に自然発症胃腫瘍コトンラットの胃粘膜の写真を示す. コトンラットの胃腫瘍発症過程は, 壁細胞に対する自己免疫性胃炎を発端とし, 壁細胞は破壊され胃酸分泌の低下により胃内のpHは中性化に傾く. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.128.1485 |