冠動脈造影及び冠動脈形成術後の造影剤腎症に対するN-アセチルシステインの予防効果の検討
「緒言」狭心症や心筋梗塞では冠動脈の狭窄, 閉塞のため虚血に陥り, 心筋に必要な酸素や栄養素が不足し胸痛発作が起こる. その冠動脈疾患の診断や治療で行う冠動脈造影又は冠動脈形成術では造影剤の使用が必要不可欠となっている. 副作用には, 熱感(0.9%)や蕁麻疹(0.5%), 悪心(1.0%)・嘔吐(0.4%)などのほか, 腎障害が知られている. 1, 2)造影剤の投与によって起こる腎障害は, 造影剤腎症(CIN:contrast-induced nephropathy)と呼ばれ, 造影剤使用後3日以内に血清クレアチニン(Scr)が0.5mg/dl以上, 又は25%以上増加する状態と一般的に定義...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2008/09/01, Vol.128(9), pp.1333-1339 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」狭心症や心筋梗塞では冠動脈の狭窄, 閉塞のため虚血に陥り, 心筋に必要な酸素や栄養素が不足し胸痛発作が起こる. その冠動脈疾患の診断や治療で行う冠動脈造影又は冠動脈形成術では造影剤の使用が必要不可欠となっている. 副作用には, 熱感(0.9%)や蕁麻疹(0.5%), 悪心(1.0%)・嘔吐(0.4%)などのほか, 腎障害が知られている. 1, 2)造影剤の投与によって起こる腎障害は, 造影剤腎症(CIN:contrast-induced nephropathy)と呼ばれ, 造影剤使用後3日以内に血清クレアチニン(Scr)が0.5mg/dl以上, 又は25%以上増加する状態と一般的に定義されている. 3-6)CIN発症の詳細なメカニズムは不明であるが, 腎血流低下, 腎尿細管障害, 活性酸素の関与が考えられている. 4-6)CIN発症の危険因子は, 腎機能障害, 糖尿病, 脱水, 高齢, 慢性心不全, 腎障害を有する薬物の使用, 造影剤の過剰使用が報告されており, 腎機能障害などの危険因子を有さない患者では発症率は1-2%以下とされているが, 危険因子を有する患者では発症率はおよそ4-12%と報告されている. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.128.1333 |