カルボプラチン至適投与量算出時における24時間クレアチニンクリアランス推測法の検討
「諸言」カルボプラチン(CBDCA)は, 肺がん, 卵巣がんの標準治療として頻用される白金系抗がん剤である. 同じ白金系抗がん剤であるシスプラチン(CDDP)と比較して, CBDCAは長時間にわたる水分負荷の点滴が不要であり, 忍容性・簡便性の面から入院治療だけでなく外来化学療法にも適している. CBDCAの効果・副作用は薬物血中濃度-時間曲線下面積(area under the concentration versus time curve:AUC)と相関することが示されており, 1)CBDCAの投与量算出にはCalvertの式2):Dose(mg/body)=AUC×{糸球体濾過量(glo...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2008/08/01, Vol.128(8), pp.1209-1214 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「諸言」カルボプラチン(CBDCA)は, 肺がん, 卵巣がんの標準治療として頻用される白金系抗がん剤である. 同じ白金系抗がん剤であるシスプラチン(CDDP)と比較して, CBDCAは長時間にわたる水分負荷の点滴が不要であり, 忍容性・簡便性の面から入院治療だけでなく外来化学療法にも適している. CBDCAの効果・副作用は薬物血中濃度-時間曲線下面積(area under the concentration versus time curve:AUC)と相関することが示されており, 1)CBDCAの投与量算出にはCalvertの式2):Dose(mg/body)=AUC×{糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)+25}が主に用いられている. 実際の診療では, GFRを反映する検査として24時間クレアチニンクリアランス(24CLcr)が測定されている. しかし, 24CLcrの測定において24時間の蓄尿が必要であることから, 高齢者が多い入院患者において24時間蓄尿が適正に行われているかは不明である. 蓄尿の適正性を評価せずにCBDCAの投与量を算出することは, 患者への過剰投与による副作用出現, 過少投与による治療効果低下の不利益につながる. 加えて外来通院で化学療法を行う患者に対し, 24時間蓄尿を実施することは難しい. |
---|---|
ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.128.1209 |