血管内皮細胞のプロテオグリカン代謝の制御を介した外来性糖鎖の活性
「1. はじめに」 近年, メタボリックシンドロームが大きな社会的関心をもたれるようになり, その表現形である動脈硬化は注目を集める病変の1つとなっている. 動脈硬化の形態学的特徴は, 血管壁, 特に内膜における脂質コアと呼ばれる脂質の沈着, それを取り囲む線維性被膜と呼ばれる血管平滑筋細胞とそれに由来する細胞外マトリックスの層の形成, 及びマクロファージやT-リンパ球などの細胞成分の集積である. 1, 2) 動脈硬化病変においては, 血管内皮細胞の抗血栓的機能が低下しているとされる. 3) 一方, 血管平滑筋細胞は正常な状態では収縮型として中膜を構築しており, 増殖は静止した状態にある. し...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2008/05/01, Vol.128(5), pp.717-723 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」 近年, メタボリックシンドロームが大きな社会的関心をもたれるようになり, その表現形である動脈硬化は注目を集める病変の1つとなっている. 動脈硬化の形態学的特徴は, 血管壁, 特に内膜における脂質コアと呼ばれる脂質の沈着, それを取り囲む線維性被膜と呼ばれる血管平滑筋細胞とそれに由来する細胞外マトリックスの層の形成, 及びマクロファージやT-リンパ球などの細胞成分の集積である. 1, 2) 動脈硬化病変においては, 血管内皮細胞の抗血栓的機能が低下しているとされる. 3) 一方, 血管平滑筋細胞は正常な状態では収縮型として中膜を構築しており, 増殖は静止した状態にある. しかしながら, 動脈硬化血管壁(内膜)ではフェノタイプを合成型に変え, 増殖と細胞外マトリックスの合成・分泌を活発化させている4). また, 血管平滑筋細胞及びマクロファージは, 脂質, 特に低密度リポタンパク(LDL)を活発に取り込んで泡沫化し, 血小板由来増殖因子(PDGF)などの細胞増殖因子/サイトカインを分泌し, 血管平滑筋細胞の中膜から内膜への遊走と増殖・増生を加速し, 内膜の肥厚を促す. 5) |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.128.717 |