がん化学療法施行中患者における5-hydroxytryptamine Receptor type 3(5-HT3受容体)拮抗薬の摂食状況に基づく臨床評価

「緒言」抗悪性腫瘍剤投与後の悪心・嘔吐は, がん化学療法の中止を招く一因となり, この副作用の回避は治療継続や患者のquality of lifeの観点から重要な問題となっている. 抗悪性腫瘍剤による悪心, 嘔吐の発現機序の1つとして, 小腸粘膜の迷走神経求心線維上に存在する5-HT3受容体を介する嘔吐発現機構があり, その拮抗薬が制吐剤として臨床使用されている. 1)われわれは, 5-HT3受容体拮抗薬(以下, 5-HT3RA)の臨床効果が5-HT3受容体結合占有に関連して発現することを示し, 塩酸グラニセトロン, 塩酸オンダンセトロン, 塩酸ラモセトロン, 塩酸アザセトロン及び塩酸トロピセ...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2008, Vol.128 (4), p.649-655
Hauptverfasser: 奥山清a, 吉元公一a, 岩瀬理b, 大関健志c, 山田安彦c
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」抗悪性腫瘍剤投与後の悪心・嘔吐は, がん化学療法の中止を招く一因となり, この副作用の回避は治療継続や患者のquality of lifeの観点から重要な問題となっている. 抗悪性腫瘍剤による悪心, 嘔吐の発現機序の1つとして, 小腸粘膜の迷走神経求心線維上に存在する5-HT3受容体を介する嘔吐発現機構があり, その拮抗薬が制吐剤として臨床使用されている. 1)われわれは, 5-HT3受容体拮抗薬(以下, 5-HT3RA)の臨床効果が5-HT3受容体結合占有に関連して発現することを示し, 塩酸グラニセトロン, 塩酸オンダンセトロン, 塩酸ラモセトロン, 塩酸アザセトロン及び塩酸トロピセトロンの常用量投与時の受容体結合占有率が薬剤の評価に有用な指標となることを報告した. 2)一方, 苔口らは, 婦人科領域の悪性腫瘍におけるシスプラチン併用化学療法での患者の嘔吐回数と摂食状況から5-HT3RAの効果を検討している. 3)
ISSN:0031-6903