マウス胚性幹細胞から心筋細胞への分化に及ぼす人参含有成分の効果

「序論」 胚性幹細胞(ES細胞)は, 発生初期胚の内部細胞塊に由来するものであり, 自己複製能と個体を形成するすべての細胞種へと分化できる多分化能を有する. したがって, ES細胞からin vitroで, 心筋細胞など様々な種類の細胞を分化誘導させ, それらを用いた細胞治療の可能性や安全性などに関する議論が盛んになされている. 1-3) しかし, 実際に細胞治療や移植に利用できるような, 十分な純度と形状を持った細胞塊や組織を得ることは極めて難しい. 分化過程を高精度に制御する分子機構の解明が強く求められている所以である. われわれは, 特に心筋細胞への分化を精密制御するために, マウスES細...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2008/03/01, Vol.128(3), pp.461-467
Hauptverfasser: 佐々木, 俊也, 呉, 基鳳, 松岡, 英明, 斉藤, 美佳子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「序論」 胚性幹細胞(ES細胞)は, 発生初期胚の内部細胞塊に由来するものであり, 自己複製能と個体を形成するすべての細胞種へと分化できる多分化能を有する. したがって, ES細胞からin vitroで, 心筋細胞など様々な種類の細胞を分化誘導させ, それらを用いた細胞治療の可能性や安全性などに関する議論が盛んになされている. 1-3) しかし, 実際に細胞治療や移植に利用できるような, 十分な純度と形状を持った細胞塊や組織を得ることは極めて難しい. 分化過程を高精度に制御する分子機構の解明が強く求められている所以である. われわれは, 特に心筋細胞への分化を精密制御するために, マウスES細胞の分化培養系を用いて, 新規制御分子を探索している. そのリソースとして注目しているのが生薬である. 生薬は, 古くから様々の治療に利用されてきたことからも分かるように, 多くの薬理活性物質が含まれているはずであり, 実際, 今日までに単離され分子構造が明らかになった分子の種類は少なくない. 4)
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.128.461