茶花(チャ, Camellia sinensis, 花蕾部)の機能性サポニン:Floratheasaponin類の胃保護作用と血糖値上昇抑制作用及びHPLCを用いた定性及び定量分析

緒言 チャは, ツバキ科(Camelliaceae)に属する多年性の常緑樹で, 中国の雲南省, 四川省からミャンマーの北部にかけての地域が原産地とされている. チャは, 樹高3m程度になる灌木で耐寒性のある中国種(Camellia sinensis var. sinensis)と, 喬木で葉も大きいアッサム種(C. sinensis var. assamica)に大別される. 中国種は, 江蘇, 浙江省などの中国東部から安徽, 福建省などの東南部及び日本の暖地などで栽培されており, 北インドへも移植されている. 一方, アッサム種は, 四川, 雲南省などの中国西南部, インドやスリランカ, イ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2008, Vol.128 (1), p.141-151
Hauptverfasser: 吉川雅之a, 王 涛a, 杉本幸子a, 中村誠宏a, 長友暁史a, 松田久司a, 播磨章一b
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 チャは, ツバキ科(Camelliaceae)に属する多年性の常緑樹で, 中国の雲南省, 四川省からミャンマーの北部にかけての地域が原産地とされている. チャは, 樹高3m程度になる灌木で耐寒性のある中国種(Camellia sinensis var. sinensis)と, 喬木で葉も大きいアッサム種(C. sinensis var. assamica)に大別される. 中国種は, 江蘇, 浙江省などの中国東部から安徽, 福建省などの東南部及び日本の暖地などで栽培されており, 北インドへも移植されている. 一方, アッサム種は, 四川, 雲南省などの中国西南部, インドやスリランカ, インドネシアなどの熱帯, 亜熱帯地域で栽培されている. また, インドシナ半島には両種の交雑種と考えられる種が存在すると言われている. チャの葉部(茶葉)を用いた喫茶の歴史は, 少なくとも2000年以前にさかのぼり, 当初は薬用が中心であったと考えられている. 茶葉は薬物として多数の本草書に収蔵されており, 中国明時代の「本草綱目」(1590年)や江戸時代の「本草食鑑」(1697年)などにその薬効が記載されている.
ISSN:0031-6903