尿グルカリン酸測定法の改良とその応用

緒言 尿には, タンパク質・核酸代謝物の終末産物や中間代謝物, 無機質, ビタミン, ホルモン, 酵素などを始め, 薬物やその代謝物など種々の物質が様々な割合で含まれており, 本来, 健康状態の把握あるいは疾病の早期発見・診断, 病態の変化や治療効果等をチェックできる豊富な情報を持っている. また, わが国においては, 2003年5月より健康増進法が施行されたのを契機としてセルフケア, セルフチェックの重要性が認識されている. さらに, 臨床現場においては, ポイント・オブ・ケアテスト(POCT, point of care testing)1, 2)あるいはプライマリ・ケア(primary...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2008, Vol.128 (1), p.135-140
Hauptverfasser: 長谷川浩平a, 清水久実代a, 森本茂文b, 八野芳已b, 長谷川健次b, 庄野嘉治c, 堀内哲也c, 田伏克惇c, 桝井友梨奈a, 山口敬子a, 藤田芳一a
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 尿には, タンパク質・核酸代謝物の終末産物や中間代謝物, 無機質, ビタミン, ホルモン, 酵素などを始め, 薬物やその代謝物など種々の物質が様々な割合で含まれており, 本来, 健康状態の把握あるいは疾病の早期発見・診断, 病態の変化や治療効果等をチェックできる豊富な情報を持っている. また, わが国においては, 2003年5月より健康増進法が施行されたのを契機としてセルフケア, セルフチェックの重要性が認識されている. さらに, 臨床現場においては, ポイント・オブ・ケアテスト(POCT, point of care testing)1, 2)あるいはプライマリ・ケア(primary care)3)などの面より, 尿は無侵襲で常時大量に得られ, 繰り返し検査も可能で, 体液中の正常成分の変動や異常成分を鋭敏に, しかも早期に反映するので, 尿検査の重要性が近年とみに高まってきている. チトクロームP450(CYP)は生体の主要な薬物代謝酵素であり, 脂溶性物質をより水溶性の高いものに変換して体外への排出を促進する役目を果たしているが, 4-6)CYPは基質特異性がゆるやかで, 基質に対応する反応性が極めて多様性に富んでいるので, CYP個々の主要な機能, 作用機序についてはまだ未解明な部分が多い.
ISSN:0031-6903