医薬品画像を載せた薬袋の調剤過誤防止ツールとしての評価
緒言 平成14年に報告された日本薬剤師会による調剤事故の集計・分析結果1)によると,調剤の誤り注)に気付いた時点は,調剤時が8.3%,調剤鑑査時が34.3%,薬剤交付時が11.9%,そして,薬剤交付後では,42.5%であった.すなわち,薬剤交付時と交付後に発見される調剤の誤りを合わせると,全体の半数以上を占める.調剤の工程の中で,調剤鑑査は,もっぱら調剤の誤りを発見することが目的の段階であるにも係わらず,見過ごされる確率が高いことを考えると,鑑査以外の工程において,なんらかの誤りの発見策を講じる必要があり,取り分け,鑑査者を配置することが困難な小規模薬局においては,取り組むべき重要課題である....
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2007/09/01, Vol.127(9), pp.1515-1521 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緒言 平成14年に報告された日本薬剤師会による調剤事故の集計・分析結果1)によると,調剤の誤り注)に気付いた時点は,調剤時が8.3%,調剤鑑査時が34.3%,薬剤交付時が11.9%,そして,薬剤交付後では,42.5%であった.すなわち,薬剤交付時と交付後に発見される調剤の誤りを合わせると,全体の半数以上を占める.調剤の工程の中で,調剤鑑査は,もっぱら調剤の誤りを発見することが目的の段階であるにも係わらず,見過ごされる確率が高いことを考えると,鑑査以外の工程において,なんらかの誤りの発見策を講じる必要があり,取り分け,鑑査者を配置することが困難な小規模薬局においては,取り組むべき重要課題である.これに関連する米国の調査では,調剤した薬剤を患者とともに確認しながら交付することは,調剤事故を防止する上で重要としており,この調査では,調剤の誤りの83%は,患者の服薬指導中(薬剤交付時)に発見されたことを報告している.2,3) 筆者らの薬局では,医薬品画像とその情報を載せた薬袋を服薬指導・薬剤情報提供に利用しており,患者の薬剤に対する理解を高める上で,効果的であることを既に報告した. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.127.1515 |