経皮的冠動脈ステント留置術施行後の再狭窄に影響を及ぼす臨床的因子の検討
緒言 経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)は,狭心症や心筋梗塞により狭窄・閉塞した冠動脈病変に対して,経皮的にカテーテルを挿入して病変部を拡張することにより血行を再建する治療法の総称であり,1977年に開始されて以来,狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の治療法として薬物療法と合わせて広く普及している.1) PCIにおける血行再建方法には大きく分けてバルーンの拡張のみによる方法とバルーンによる拡張後に冠動脈ステントを留置して持続的に病変部を拡張する方法が存在し,近年では後者のステント留置術が長期的な再狭窄率の観点から広く用...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2007/08/01, Vol.127(8), pp.1309-1315 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緒言 経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)は,狭心症や心筋梗塞により狭窄・閉塞した冠動脈病変に対して,経皮的にカテーテルを挿入して病変部を拡張することにより血行を再建する治療法の総称であり,1977年に開始されて以来,狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の治療法として薬物療法と合わせて広く普及している.1) PCIにおける血行再建方法には大きく分けてバルーンの拡張のみによる方法とバルーンによる拡張後に冠動脈ステントを留置して持続的に病変部を拡張する方法が存在し,近年では後者のステント留置術が長期的な再狭窄率の観点から広く用いられている.しかし,冠動脈ステント留置術を施行する際に生じる病変部の亀裂が原因で亀裂部位に血小板が付着・凝集して起こるとされる急性冠閉塞,術後2週間程度の期間にステント留置部位に血栓が付着し血管が閉塞してしまう現象である亜急性血栓性閉塞(subacute thrombosis:SAT),及び多くが6ヵ月以内に起こる拡張部位の再狭窄は冠動脈ステント留置後の患者管理において臨床的に重大な課題である.今日ではステント留置後の抗血小板・抗凝固療法が確立され,急性冠閉塞の問題はほぼ解決されており,また病変の形状にあわせたステントを選択することができるようになったことから,SATも減少傾向にある. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.127.1309 |