阿仙薬のポリフェノール性成分による品質評価

緒言 阿仙薬gambirはUncaria gambir Roxb.(アカネ科)の葉及び若枝から得た乾燥水製エキスであり,止瀉薬・整腸薬として用いられる.主成分として(+)-catechin(1)を含むほか,1)フラバン2量体関連物質2,3)及びインドールアルカロイド類4)を含むことが知られる. 本生薬は日本薬局方(局方)収載生薬であり,局方においては確認試験として,タンニン類のゼラチンとの定性的な沈殿反応,及びcatechin類のバニリン-塩酸試液での呈色反応が規定されている.5)その他灰分,酸不溶性灰分及びエキス含量も規定されている.5)しかし,多量含まれるポリフェノール又はタンニンに関する...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2007/08/01, Vol.127(8), pp.1291-1300
Hauptverfasser: 谷口, 抄子, 黒田, 佳代, 土居, 功一, 稲田, 和敏, 吉門, 直美, 米田, 裕治, 田部, 昌弘, 柴田, 高, 吉田, 隆志, 波多野, 力
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 阿仙薬gambirはUncaria gambir Roxb.(アカネ科)の葉及び若枝から得た乾燥水製エキスであり,止瀉薬・整腸薬として用いられる.主成分として(+)-catechin(1)を含むほか,1)フラバン2量体関連物質2,3)及びインドールアルカロイド類4)を含むことが知られる. 本生薬は日本薬局方(局方)収載生薬であり,局方においては確認試験として,タンニン類のゼラチンとの定性的な沈殿反応,及びcatechin類のバニリン-塩酸試液での呈色反応が規定されている.5)その他灰分,酸不溶性灰分及びエキス含量も規定されている.5)しかし,多量含まれるポリフェノール又はタンニンに関する定量的規格は局方にはない.また,阿仙薬は葉及び小枝からのエキス調製時に加熱処理が行われることから,基原植物の産地による成分構成の差異のほかに,生産地における製法による成分のばらつきも大きいと考えられ,定量的規格の設定が必要と考えられる.実際阿仙薬製品は色などの性状も様々である.阿仙薬はcatechin類を20-40%前後含有するとする報告もあるが,1)現在の阿仙薬市場品に関するポリフェノール類の定量的な情報はほとんどない.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.127.1291