塩酸アザセトロンの種々の投与計画における制吐作用のセロトニンの5-HT3受容体結合占有に基づく解析
緒言 抗悪性腫瘍剤投与後の悪心嘔吐は, 癌化学療法の中止を招く一因となり, この副作用の回避は患者の治療継続やquality of lifeの向上に臨床上重要な問題となっている. 1-6) この抗悪性腫瘍剤による悪心, 嘔吐の発現機序の1つとして, 小腸粘膜の迷走神経求心性繊維上に存在する5-HT3受容体を介する嘔吐発現機構があり, 7-10)その遮断薬が制吐剤として臨床使用されている. 5-HT3受容体遮断薬の1つである塩酸アザセトロンは, 1回10mgを1日1回経口投与あるいは静脈内投与の用法, 用量で用いられているが, 静脈内投与に際しては分割投与あるいは持続点滴投与などの方法も試みられ...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2007/02/01, Vol.127(2), pp.353-357 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緒言 抗悪性腫瘍剤投与後の悪心嘔吐は, 癌化学療法の中止を招く一因となり, この副作用の回避は患者の治療継続やquality of lifeの向上に臨床上重要な問題となっている. 1-6) この抗悪性腫瘍剤による悪心, 嘔吐の発現機序の1つとして, 小腸粘膜の迷走神経求心性繊維上に存在する5-HT3受容体を介する嘔吐発現機構があり, 7-10)その遮断薬が制吐剤として臨床使用されている. 5-HT3受容体遮断薬の1つである塩酸アザセトロンは, 1回10mgを1日1回経口投与あるいは静脈内投与の用法, 用量で用いられているが, 静脈内投与に際しては分割投与あるいは持続点滴投与などの方法も試みられている. Kimuraらは, 子宮体癌及び卵巣癌患者に対するシスプラチン(75mg/m2)療法において, 塩酸アザセトロン1回10mgを1日1回静注投与(単回投与群), 1回5mgを1日2回静注投与(分割投与群), 2.5mg投与後に7.5mgを持続点滴投与(持続投与群)の臨床研究を行い, 単回投与群に比べて分割投与群では嘔吐回数を, 持続投与群では悪心点数を有意に減少させることを報告している. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.127.353 |