高分子ナノ粒子を利用したアジュバント開発と抗HIV療法における有効性
1. はじめに 高分子ナノ粒子は多様な内部構造と表面構造を有し, 粒径を広範囲かつ精密に調製できる利点を有している. そのため一般工業, 情報, 生化学分野で実用化されており, 近年では医療分野での応用研究が盛んに行われている. 特にdrug delivery system(DDS)としての微粒子製剤への関心が高まっており, 遺伝子治療, がん治療, 再生医療, ワクチン開発などのナノ医療への応用が期待されている. 1, 2) ワクチン開発におけるDDS技術は, 組織及び細胞内における抗原の空間的, 時間的制御を目的としており, 高分子からなるマイクロ及びナノ粒子を用いたアプローチが試みられて...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2007/02/01, Vol.127(2), pp.307-317 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1. はじめに 高分子ナノ粒子は多様な内部構造と表面構造を有し, 粒径を広範囲かつ精密に調製できる利点を有している. そのため一般工業, 情報, 生化学分野で実用化されており, 近年では医療分野での応用研究が盛んに行われている. 特にdrug delivery system(DDS)としての微粒子製剤への関心が高まっており, 遺伝子治療, がん治療, 再生医療, ワクチン開発などのナノ医療への応用が期待されている. 1, 2) ワクチン開発におけるDDS技術は, 組織及び細胞内における抗原の空間的, 時間的制御を目的としており, 高分子からなるマイクロ及びナノ粒子を用いたアプローチが試みられている. 3) そこで求められる機能としては, 抗原の徐放化, 粘膜付着性, 局所滞留性, 抗原分解抑制能等が挙げられる. さらに粒子状キャリアーを用いることで, 免疫応答に重要な役割を果たしている樹状細胞に積極的に抗原を送達でき, 効率のよい免疫誘導が可能となる. 4) 高分子ナノ粒子は, 抗原のcontrolled releaseとtargetingを可能とするキャリアーとして期待されている. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.127.307 |