バイオインフォマティクスとドッキング研究の接点

[1. はじめに] バイオインフォマティクス(情報生物学)とドッキング研究(計算化学)とは, ともに創薬において活用されているインシリコ技術という共通性を持つにもかかわらず, 意外なほどに迂遠な関係にある. 創薬は生物学と化学が密接に絡み合った学際研究の典型であることから, バイオインフォマティクスとドッキング研究をより効率的に組み合わせて, 創薬インフォマティクスとでも呼ぶべき総合的なソリューションを模索することが望まれつつある. そこで本稿ではバイオインフォマティクスとドッキング研究両者の接点を探った. まずは, 創薬におけるバイオインフォマティクスを分類し, 主に物質学としてのバイオイン...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2007/01/01, Vol.127(1), pp.103-112
Hauptverfasser: 白井, 宏樹, 小堀, 正人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[1. はじめに] バイオインフォマティクス(情報生物学)とドッキング研究(計算化学)とは, ともに創薬において活用されているインシリコ技術という共通性を持つにもかかわらず, 意外なほどに迂遠な関係にある. 創薬は生物学と化学が密接に絡み合った学際研究の典型であることから, バイオインフォマティクスとドッキング研究をより効率的に組み合わせて, 創薬インフォマティクスとでも呼ぶべき総合的なソリューションを模索することが望まれつつある. そこで本稿ではバイオインフォマティクスとドッキング研究両者の接点を探った. まずは, 創薬におけるバイオインフォマティクスを分類し, 主に物質学としてのバイオインフォマティクスが, ドッキング研究との接点となることを解説する. 物質学としてのバイオインフォマティクス研究には, 蛋白質の立体構造情報(以下, 単に構造情報と略す)を考慮した高次の配列解析や立体構造情報自体の解析が含まれるが, あるスーパーファミリーを対象にしたこれらの研究を紹介し, 生物学上どのような知見が得られ, また創薬においていかなる有用な情報が抽出できるかを解説する.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.127.103