機能のゆらぎ
1. はじめに 最終講義について考えたとき, 「機能のゆらぎ(Functional fluctuation)」という題目がごく自然に思い浮かんだ. 「機能のゆらぎ」という言葉が適切なものかどうかの自信はないが, 「構造のゆらぎから機能のゆらぎへ」とでもいう副題をつければ私の最終講義の題目としてそれほど不適合でない気持がする. 生命科学の研究に携わる者にとっては, 「構造と機能」は表裏一体であるという思いが強い. 1953年にWatsonとCrickが遺伝子の本体であるDNA二重ラセン構造を明らかにして以来, 既に半世紀が過ぎている. 1)しかし, 今世紀はその成果がさらにになると考えられる....
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2006/06/01, Vol.126(6), pp.379-393 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1. はじめに 最終講義について考えたとき, 「機能のゆらぎ(Functional fluctuation)」という題目がごく自然に思い浮かんだ. 「機能のゆらぎ」という言葉が適切なものかどうかの自信はないが, 「構造のゆらぎから機能のゆらぎへ」とでもいう副題をつければ私の最終講義の題目としてそれほど不適合でない気持がする. 生命科学の研究に携わる者にとっては, 「構造と機能」は表裏一体であるという思いが強い. 1953年にWatsonとCrickが遺伝子の本体であるDNA二重ラセン構造を明らかにして以来, 既に半世紀が過ぎている. 1)しかし, 今世紀はその成果がさらにになると考えられる. 生命科学が基礎科学の1分野の学問に留まらず, 医療, 医学, 薬学とより密接に結びつくとともに, 産業はもちろんのこと, 社会制度, 倫理, 人権などの諸問題においていっそう重要な役割を果たすようになるであろう. それはさておき, 生物物理学, 生化学, 分子生物学の研究者にとっては生体分子や生体超分子(高分子)の「構造と機能」の理解は生命科学の基盤として欠くことができないという考えは変わらないといってよいであろう. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.126.379 |