マンナンによるCandida albicansのプラスチック製培養プレート接着阻害効果

Candida albicansは日和見感染原因菌の1種で, 増殖環境に応じて酵母形から菌糸形に形態を変化する二形性の真菌である. 1)C. albicansは主にヒトの口腔内, 膣, 腸管内などに存在している. 2-4)マンナンは, Saccharomyses cerevisiaeやC. albicansなどの真菌細胞壁を構成する多糖体で, 糖鎖部分は, マンノースがα1‐6結合した主鎖にα1-6, α1-3結合などからなるマンノースオリゴ糖側鎖が結合した櫛形構造を呈している. 5)通常, マンナンは, 熱水抽出法により精製され, マンナンにタンパク質が結合した糖タンパク質として回収されてく...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2006/03/01, Vol.126(3), pp.167-172
Hauptverfasser: 岩本, 留奈, 渡部, 俊彦, 小笠原, 綾子, 三上, 健, 松本, 達二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Candida albicansは日和見感染原因菌の1種で, 増殖環境に応じて酵母形から菌糸形に形態を変化する二形性の真菌である. 1)C. albicansは主にヒトの口腔内, 膣, 腸管内などに存在している. 2-4)マンナンは, Saccharomyses cerevisiaeやC. albicansなどの真菌細胞壁を構成する多糖体で, 糖鎖部分は, マンノースがα1‐6結合した主鎖にα1-6, α1-3結合などからなるマンノースオリゴ糖側鎖が結合した櫛形構造を呈している. 5)通常, マンナンは, 熱水抽出法により精製され, マンナンにタンパク質が結合した糖タンパク質として回収されてくる. マンナンが, プラスチック製の培養プレートに吸着性を示すことは既に知られており, 6)この現象はマンナン抗原の免疫学的解析などに利用されている. 口腔内に存在するC. albicansが歯垢や歯周病の原因の1つである可能性が報告されており, 7, 8)歯へのC. albicans接着阻害は口腔内病変発生防止の有効な手段になると考えられる. また, カテーテル内部へのC. albicansの付着が, カテーテル感染の要因の1つと予想され, カテーテルへのC. albicans接着阻害方法の開発が望まれている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.126.167