羅布麻 (紅麻:Apocynum venetum L.) 葉エキスの降圧作用に関する研究(3)

羅布麻葉(Luobuma)はキョウチクトウ科(Apocynaceae)の多年生草本であるApocynum venetum L.(紅麻)の葉部を乾燥した生薬である. 1)羅布麻葉は中華人民共和国薬典に収載され, 心臓病, 高血圧, 不眠症, 神経衰弱, 腎炎, 浮腫に用いるとされている. 2, 3)また羅布麻は内モンゴル遊牧民の伝統的なお茶としても飲まれていたとの報告があり, 4)高血圧に関しては, 羅布麻葉を煎じてお茶の代わりに毎日服用することが中薬大辞典に記載されている. 1)最近は日本, 中国, アメリカなどでお茶製品(例えば燕龍茶)やエキス製剤などに加工して広く血圧が高めの人に向けた健康...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2004, Vol.124 (11), p.851-856
Hauptverfasser: 田川智恵a, 香川珠実b, 中澤慶久a, 鬼塚重則a, 西部三省c, 川崎博己d
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:羅布麻葉(Luobuma)はキョウチクトウ科(Apocynaceae)の多年生草本であるApocynum venetum L.(紅麻)の葉部を乾燥した生薬である. 1)羅布麻葉は中華人民共和国薬典に収載され, 心臓病, 高血圧, 不眠症, 神経衰弱, 腎炎, 浮腫に用いるとされている. 2, 3)また羅布麻は内モンゴル遊牧民の伝統的なお茶としても飲まれていたとの報告があり, 4)高血圧に関しては, 羅布麻葉を煎じてお茶の代わりに毎日服用することが中薬大辞典に記載されている. 1)最近は日本, 中国, アメリカなどでお茶製品(例えば燕龍茶)やエキス製剤などに加工して広く血圧が高めの人に向けた健康食品として用いられている. これまでに羅布麻葉エキス(LLE:Luobuma Leaf Extract)の薬理作用で降圧作用は認められているが, 5)その作用機序についての報告はされていない. そこで筆者らは, LLEをラットに経口投与し, その降圧作用の確認と作用機序の検討を行った. その結果, 正常血圧ラットであるWistar Kyotoラット(WKY)に経口投与しても血圧には影響が認められないが, 高血圧自然発症ラット(Spontaneously Hypertensive Rats(SHR))への経口投与では, 6週間目から有意な降圧作用が起こることを前報5)で報告した.
ISSN:0031-6903