レーザードップラー血流量計を用いたベタメタゾン誘発於血マウスの末梢血流量に対する漢方湯液の影響
生体において, 体の全血管の90%を占める毛細血管での末梢循環は生体組織の機能維持に重要な役割を持っている. 末梢循環機能低下すなわち血液の滞りには血管の損傷, 収縮, 拡張, うっ血, 充血及び血管内での凝固線溶系の異常が関連し, これによって引き起こされる病的状態が漢方独特の概念である於血の本体と考えられている. また, 日本人の特有の病気とされている冷え症も末梢血流量の低下によって起こることが多い. 1) 於血と血流量との関係についてKikuchiらはヒト皮膚末梢血流量を測定し於血が進行するにつれて血流量が低下することを明らかとしている. 2) また, 難らは糖質コルチコイド製剤をラット...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2004/06/01, Vol.124(6), pp.365-369 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 生体において, 体の全血管の90%を占める毛細血管での末梢循環は生体組織の機能維持に重要な役割を持っている. 末梢循環機能低下すなわち血液の滞りには血管の損傷, 収縮, 拡張, うっ血, 充血及び血管内での凝固線溶系の異常が関連し, これによって引き起こされる病的状態が漢方独特の概念である於血の本体と考えられている. また, 日本人の特有の病気とされている冷え症も末梢血流量の低下によって起こることが多い. 1) 於血と血流量との関係についてKikuchiらはヒト皮膚末梢血流量を測定し於血が進行するにつれて血流量が低下することを明らかとしている. 2) また, 難らは糖質コルチコイド製剤をラットに長期投与すると血液の粘度が上昇し, 於血様症状を呈することを報告している. 3) さらに, Nagaiらは, 糖質コルチコイドをマウスに長期投与することにより於血様症状を呈し, 血中のシアル酸の量が増加し, 赤血球膜のシアリダーゼ活性が上昇することを報告している. 4)以上のことから血液の滞りを改善する薬物の評価には末梢血流量を測定することが有用であると考えられる. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.124.365 |