健康食品に添加されていた経口血糖降下薬グリベンクラミドの検出事例

近年, 健康食品への医薬品の添加, 混入事例が多数報告されている. 例えば, いわゆる痩身用健康食品から下剤であるセンナの検出, 1)食欲抑制作用を持つフェンフルラミンの検出, 2)強壮強精を謳った健康食品よりバイアグラの成分であるシルデナフィルの検出, 3)鎮痛及び抗炎症作用を持つステロイドホルモンの検出4)などが挙げられる. このような医薬品の添加は, 製品に標榜した効果を増強するためと思われるが, 場合によっては服用による思わぬ副作用を引き起こす恐れがある. 最近の事例では, 痩身効果を謳った中国製健康食品の服用による大規模な健康被害が引き起こされた. この原因として, フェンフルラミン...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2003/12/01, Vol.123(12), pp.1049-1054
Hauptverfasser: 熊坂, 謙一, 小島, 尚, 土井, 佳代, 佐藤, 修二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 健康食品への医薬品の添加, 混入事例が多数報告されている. 例えば, いわゆる痩身用健康食品から下剤であるセンナの検出, 1)食欲抑制作用を持つフェンフルラミンの検出, 2)強壮強精を謳った健康食品よりバイアグラの成分であるシルデナフィルの検出, 3)鎮痛及び抗炎症作用を持つステロイドホルモンの検出4)などが挙げられる. このような医薬品の添加は, 製品に標榜した効果を増強するためと思われるが, 場合によっては服用による思わぬ副作用を引き起こす恐れがある. 最近の事例では, 痩身効果を謳った中国製健康食品の服用による大規模な健康被害が引き起こされた. この原因として, フェンフルラミンの誘導体であるN-ニトロソフェンフルラミン及び医薬品である甲状腺粉末などが添加されていたことが判明している. この被害が拡大してしまった要因として, 主な原因となったN-ニトロソフェンフルラミンがデザイナーズドラッグと言われるような新規化学物質であったこともさることながら, 添加されていた製品は, 食品としてインターネット及び一般販売店などを介して誰でも容易に入手できること, また, 天然成分配合といった製品の広告及び漢方, 生薬に対する安全であるというイメージにより服用しやすいことも影響していると考えられる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.123.1049