HoLEPの進歩と課題

HoLEPはすでに10年を超え生き残り標準治療の一角を占めるのにも関わらず, 現在なお術式の改良が話題になる珍しい術式でもある. これは周術期の合併症などで満足できていない術者が多い為と推察される. 本論文では, 抗血栓剤投与継続下での止血と, 術直後の一過性尿失禁 (SUI) と関する問題点を論じる. (1) ガイドラインで抗血栓薬継続内服下で実施可能な手術と位置付けられたが, 単剤の抗血小板薬, 抗凝固薬だけではなくdual antiplatelet therapy (DAPT) などの患者では手術時間や入院期間の延長, 輸血率の上昇などが指摘されている. 非内服時にはHoLEPと同等な出...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Japanese Journal of Endourology 2020, Vol.33(1), pp.29-33
1. Verfasser: 遠藤, 文康
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:HoLEPはすでに10年を超え生き残り標準治療の一角を占めるのにも関わらず, 現在なお術式の改良が話題になる珍しい術式でもある. これは周術期の合併症などで満足できていない術者が多い為と推察される. 本論文では, 抗血栓剤投与継続下での止血と, 術直後の一過性尿失禁 (SUI) と関する問題点を論じる. (1) ガイドラインで抗血栓薬継続内服下で実施可能な手術と位置付けられたが, 単剤の抗血小板薬, 抗凝固薬だけではなくdual antiplatelet therapy (DAPT) などの患者では手術時間や入院期間の延長, 輸血率の上昇などが指摘されている. 非内服時にはHoLEPと同等な出血リスクと考えられているPVPが内服でも輸血率がほとんど上昇しないのに対して, HoLEPでの悪化は最近のメタ解析で明らかになっている. ただし, 術後治療成績は薬剤内服の有無では差がないことから, 抗血栓薬内服継続で出血のリスク上昇を術者および患者も理解したうえで手術をすることは許容されると考えている. 最近, レーザー発生装置の進化により止血能力が格段に向上してきているので概説する. (2) SUIの原因を解剖学的に考察し, 内視鏡で観察可能なメルクマールを示した. それらを踏まえ温存すべき構造を残すための理論的な術式に関して考察した.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.33.29