HIFUを用いた前立腺癌局所療法の可能性

局所療法は,根治的治療とActive Surveillanceの中間に位置する治療概念と考えられ,患者の予後に影響すると考えられる癌病巣を治療する一方,正常組織を可能な限り温存し,癌治療と患者の機能温存を両立することを目的とするものである.高密度焦点式超音波療法(high intensity focused ultrasound,以下HIFU)は,治療領域を自由な形に設定できること,数ミリ単位で治療領域,非治療領域の組織変化の違いを鮮明にして治療することができることから,前立腺癌に対する局所療法に適した治療法として期待される.しかし,これまでに報告された局所療法の臨床成績は,その目的の一つであ...

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Veröffentlicht in:Japanese Journal of Endourology 2015, Vol.28(2), pp.224-231
Hauptverfasser: 小路, 直, 日暮, 太朗, 川上, 正能, 中野, まゆら, 内田, 豊昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:局所療法は,根治的治療とActive Surveillanceの中間に位置する治療概念と考えられ,患者の予後に影響すると考えられる癌病巣を治療する一方,正常組織を可能な限り温存し,癌治療と患者の機能温存を両立することを目的とするものである.高密度焦点式超音波療法(high intensity focused ultrasound,以下HIFU)は,治療領域を自由な形に設定できること,数ミリ単位で治療領域,非治療領域の組織変化の違いを鮮明にして治療することができることから,前立腺癌に対する局所療法に適した治療法として期待される.しかし,これまでに報告された局所療法の臨床成績は,その目的の一つである機能温存については,有用性が示されている一方,治療効果判定方法が施設間で異なり,経過観察期間も短期間である研究が多いため,その治療効果の有用性については,明らかではない.現在,われわれは,HIFUを用いた局所療法の確立のために必要と考えられる,“前立腺癌の局在診断”,“正確な治療の実施”,そして“治療効果判定および再発評価”の方法について,基礎的,臨床的研究を行っている.今後,国際的なコンセンサスや,これらの研究結果を考慮して作成されたプロトコールのもとで治療が行われ,さらに多施設共同研究,他治療とのランダム化比較試験により,HIFUを用いた局所療法の有効性について,評価が行われることが望まれる.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.28.224