放射線治療「IMRT」

前立腺癌に対する放射線治療は,3D-CRTの時代からIMRTの時代へと移行しつつあり,3D-CRTの時代に問題となっていた直腸出血は,IMRTを用いることにより,その頻度を従来の20%程度から5%以下に軽減させることが可能となった.これにより更なる線量増加によってもたらされる治療成績向上が期待されている.中リスク群においては5年の生化学的無再発生存率はほとんどの施設が80%程度の成績を報告しているが,ASCO GU 2015で,中リスク群においては短期のホルモン療法と放射線療法との併用は,放射線療法単独よりも,生化学的再発を抑制し,無病生存期間(DFS)を改善することが,前向き多施設共同ランダ...

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Veröffentlicht in:Japanese Journal of Endourology 2015, Vol.28(2), pp.215-219
Hauptverfasser: 幡野, 和男, 此枝, 紘一, 遠山, 尚紀, 小玉, 卓史, 小林, 将行, 小丸, 淳, 深澤, 賢, 植田, 健
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:前立腺癌に対する放射線治療は,3D-CRTの時代からIMRTの時代へと移行しつつあり,3D-CRTの時代に問題となっていた直腸出血は,IMRTを用いることにより,その頻度を従来の20%程度から5%以下に軽減させることが可能となった.これにより更なる線量増加によってもたらされる治療成績向上が期待されている.中リスク群においては5年の生化学的無再発生存率はほとんどの施設が80%程度の成績を報告しているが,ASCO GU 2015で,中リスク群においては短期のホルモン療法と放射線療法との併用は,放射線療法単独よりも,生化学的再発を抑制し,無病生存期間(DFS)を改善することが,前向き多施設共同ランダム化フェーズ3試験で明らかになってきている.また,高リスク群においても手術成績と遜色ない治療成績であるが,高リスク群においてはホルモン療法との併用が重要であり,今後はその最適な期間の検討が待たれる.また,T3a以上の症例においてはホルモン療法併用だけでなく,腫瘍活性の高い領域への局所的な線量増加も検討されている.骨盤リンパ節への予防照射の意義については議論のあるところである.  IMRTを用いることによって,晩期有害事象を増加させることなく,治療成績向上が得られることがわかってきたが,残念ながら我が国においては,まだ標準治療とはなっていないが,今後,マンパワーの確保によるさらなる実施可能施設増加が期待される.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.28.215