腎盂尿管癌に対する鏡視下腎尿管全摘除術の検討: 用手補助法との比較

当院の腎盂尿管癌に対する鏡視下手術の成績を術式の変遷を踏まえて安全性と制癌の面から検討した.対象は2000年10月から2009年6月まで腎盂尿管癌の診断で鏡視下手術を施行した54例とし,同時期の開腹手術例は除外した.手術時年齢は中央値74歳であった.術式は腎摘が用手補助手術(HALS)33例,腹腔鏡手術(PLS)21例,下部尿管の処理は下腹部横切開法23例,傍腹直筋切開法30例,その他1例であった.手術時間は中央値230分,出血量は中央値201mlであり3例に輸血を要した.開腹への移行は8例でみられた.術後合併症は8例にみられたが初期のものが多く,重篤な合併症はみられなかった.術後観察期間の中...

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Veröffentlicht in:Japanese Journal of Endourology 2011, Vol.24(1), pp.109-114
Hauptverfasser: 佐々木, 芳浩, 石崎, 淳司, 松本, 隆児, 内野, 秀紀, 坂下, 茂夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:当院の腎盂尿管癌に対する鏡視下手術の成績を術式の変遷を踏まえて安全性と制癌の面から検討した.対象は2000年10月から2009年6月まで腎盂尿管癌の診断で鏡視下手術を施行した54例とし,同時期の開腹手術例は除外した.手術時年齢は中央値74歳であった.術式は腎摘が用手補助手術(HALS)33例,腹腔鏡手術(PLS)21例,下部尿管の処理は下腹部横切開法23例,傍腹直筋切開法30例,その他1例であった.手術時間は中央値230分,出血量は中央値201mlであり3例に輸血を要した.開腹への移行は8例でみられた.術後合併症は8例にみられたが初期のものが多く,重篤な合併症はみられなかった.術後観察期間の中央値は21.8ヶ月であった.膀胱内再発は19例にみられ,1年非再発率は67.4%,3年58.1%であった.癌特異生存率は1年93.9%,3年78.9%,5年78.9%であった.術式別検討では,HALS群33例とPLS群21例の比較において術後入院期間(中央値18.6日 vs.13.8日,p=0.024)と術後観察期間(中央値26.9ヶ月vs.15.0ヶ月,p=0.0013)に差がみられたが,手術時間,出血量,膀胱内再発率,癌特異生存率に差は見られなかった.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.24.109