地域住民における生活習慣病予防と健康増進への取り組み -久山町研究
久山町は福岡市の東部に隣接し, 面積37km2のうち3分の2は山林原野が占め, 人口78,886人, 高齢化率22.1%の町である. 昭和36年から九州大学医学部第二内科(現九州大学病態機能内科)との成人病共同研究町となってきた. 久山町住民における生活習慣病予防と健康増進の取り組みをまとめた. I 久山町研究より解明されたこと清原の研究による心血管病の時代的変化の検討で1961年, 1974年, 1988年の健診受診者40歳以上をそれぞれ第1集団(前期), 第2集団(中期), 第3集団(後期)としてそれぞれその後5年間行った予後調査の成績をみてみる. 久山町の脳卒中の死亡率は前期では5.1で...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本循環器病予防学会誌 2006, Vol.41 (1), p.40-42 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 久山町は福岡市の東部に隣接し, 面積37km2のうち3分の2は山林原野が占め, 人口78,886人, 高齢化率22.1%の町である. 昭和36年から九州大学医学部第二内科(現九州大学病態機能内科)との成人病共同研究町となってきた. 久山町住民における生活習慣病予防と健康増進の取り組みをまとめた. I 久山町研究より解明されたこと清原の研究による心血管病の時代的変化の検討で1961年, 1974年, 1988年の健診受診者40歳以上をそれぞれ第1集団(前期), 第2集団(中期), 第3集団(後期)としてそれぞれその後5年間行った予後調査の成績をみてみる. 久山町の脳卒中の死亡率は前期では5.1であったものが中期に1.4まで激減し, 後期ではさらに1.0まで減少している(表1). 心血管病の発症率では, 脳卒中発症率は第1集団の10.5から第2集団の5.0に半減している. このことは高血圧への取り組みによるとのべている. 第3集団では, 高血圧者の血圧レベルが低下傾向を示しながらも4.7と脳卒中発症率の低下が鈍化し, 虚血性心疾患が減少していない(表2). このことの大きな原因のひとつとして肥満, 高脂血症, 耐糖能異常など代謝性疾患の増加を挙げている. |
---|---|
ISSN: | 1346-6267 |
DOI: | 10.11381/jjcdp2001.41.40 |