新しく発見されたビタミンB1輸送体:ネアンデルタール人から受け継いだ一塩基多型と生活習慣病
チアミン(thiamine:ビタミンB1)は糖質代謝に必須のビタミンであり, 欠乏すると疲労や脚気症状を招くとともに, 重度の欠乏は衝心性脚気による心不全や中枢神経系の異常によるウェルニッケ脳症などの重篤な症状を起こす. このチアミンの輸送体としては, ATPのエネルギーによる一次性能動輸送を行わない溶質輸送体(solute carrier, SLC)であるSLC19A2(thiamine transporter 1, THTR-1)とSLC19A3(thiamine transporter 2, THTR-2)が同定されており, 小腸上皮細胞においてはSLC19A3が主に刷子縁膜での輸送を担...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2023/09/25, Vol.97(9), pp.426-431 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | チアミン(thiamine:ビタミンB1)は糖質代謝に必須のビタミンであり, 欠乏すると疲労や脚気症状を招くとともに, 重度の欠乏は衝心性脚気による心不全や中枢神経系の異常によるウェルニッケ脳症などの重篤な症状を起こす. このチアミンの輸送体としては, ATPのエネルギーによる一次性能動輸送を行わない溶質輸送体(solute carrier, SLC)であるSLC19A2(thiamine transporter 1, THTR-1)とSLC19A3(thiamine transporter 2, THTR-2)が同定されており, 小腸上皮細胞においてはSLC19A3が主に刷子縁膜での輸送を担い, SLC19A2が側底膜での輸送を担うとされている. 機能損失型のSLC19A2の変異は, 糖尿病と難聴を伴う巨赤芽球性貧血が特徴である常染色体劣性遺伝疾患であるチアミン反応性貧血症候群(thiamine-responsive megaloblastic anaemia, TRMA)の原因となることが知られている. |
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ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.97.9_426 |