2006年から2021年における壊血病発症状況 (その1) : 日本では自閉スペクトラム症児を中心に壊血病が増加している
「1. はじめに」ビタミンC(VC)は, プロリン残基に水酸基を付加する酵素プロリンヒドロキシラーゼの補因子としてコラーゲン鎖の3重らせん構造の構築に寄与する. 壊血病はコラーゲン鎖の3重らせん構造の構築不全のため血管壁が脆弱になり, 血管から容易に出血しやすくなるVC欠乏症であり, 初期に脱力感, 皮膚の乾燥, うつ状態などの症状を来たし, その後大腿での出血班や紫斑および毛包周囲での点状出血などの症状を主徴とする. さらに症状が進行すると, 歯肉, 皮下, 粘膜からの出血が多くみられ, 消化管や尿路からも出血を来たし死亡する. 乳幼児期の壊血病は, メーラー - バーロー病(Moller-...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2023-03, Vol.97 (3), p.131-137 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」ビタミンC(VC)は, プロリン残基に水酸基を付加する酵素プロリンヒドロキシラーゼの補因子としてコラーゲン鎖の3重らせん構造の構築に寄与する. 壊血病はコラーゲン鎖の3重らせん構造の構築不全のため血管壁が脆弱になり, 血管から容易に出血しやすくなるVC欠乏症であり, 初期に脱力感, 皮膚の乾燥, うつ状態などの症状を来たし, その後大腿での出血班や紫斑および毛包周囲での点状出血などの症状を主徴とする. さらに症状が進行すると, 歯肉, 皮下, 粘膜からの出血が多くみられ, 消化管や尿路からも出血を来たし死亡する. 乳幼児期の壊血病は, メーラー - バーロー病(Moller-Barlow disease)とも呼ばれ, 骨や歯の発育不全を主徴とする. 人は通常, 体内におよそ1500mgのVCを貯蔵しており, VCを全く含まない食事を約60~90日間摂取した場合に300mg以下になり, 壊血病を発症すると考えられている. |
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ISSN: | 0006-386X |