2-II-S1. ビタミンD受容体の転写機能を調節する新規ペプチドフォルダマーの開発

核内受容体の一種であるビタミンD受容体(VDR)は標的遺伝子の転写活性化を制御し, カルシウム濃度調節や細胞の分化誘導など多様な生理機能に関与する. しかし, VDRの過剰な活性化は希少疾患である骨パジェット病を発症に寄与することが知られており, その治療薬としてVDR阻害剤が注目されている. これまでに報告されているVDRアンタゴニストはセコステロイド骨格を有しており, 化学的な不安定さや合成の煩雑さなど課題を抱えている. そこで本研究は, VDR転写活性化に重要であるVDR-コアクチベータ相互作用に着目した. VDRに対し, 内因性アゴニストである1,25(OH)D3が結合すると構造変化が...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2022-04, Vol.96 (4), p.158-159
1. Verfasser: 三澤隆史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:核内受容体の一種であるビタミンD受容体(VDR)は標的遺伝子の転写活性化を制御し, カルシウム濃度調節や細胞の分化誘導など多様な生理機能に関与する. しかし, VDRの過剰な活性化は希少疾患である骨パジェット病を発症に寄与することが知られており, その治療薬としてVDR阻害剤が注目されている. これまでに報告されているVDRアンタゴニストはセコステロイド骨格を有しており, 化学的な不安定さや合成の煩雑さなど課題を抱えている. そこで本研究は, VDR転写活性化に重要であるVDR-コアクチベータ相互作用に着目した. VDRに対し, 内因性アゴニストである1,25(OH)D3が結合すると構造変化が誘起されコアクチベータと相互作用することで転写活性化が誘導される. つまり, VDRとコアクチベータの相互作用を阻害することができれば, VDRの転写活性化を抑制できると考えられる.
ISSN:0006-386X