ビタミンD栄養状態と自閉スペクトラム症 (ASD)リスク

「はじめに」我々は最近, 自閉スペクトラム症(ASD; Autism Spectrum Disorder)患者において, ウェルニッケ(Wernicke)脳症, ビタミンB12・葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血, ビタミンA欠乏による眼球乾燥症・角膜潰瘍, ビタミンC欠乏による壊血病, ビタミンD 乏によるくる病などが報告されていることを紹介した. その中には, 現在では先進国においてみられないような, 生命に関わるような重症例も含まれていた. ASD患者においては, 特定の食品しか摂取しない極度の偏食がしばしばみられ, このためビタミンなど特定の栄養素欠乏状態に陥ったものと考えられる. 一方最近...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:ビタミン 2022/01/25, Vol.96(1), pp.10-12
Hauptverfasser: 田中, 清, 枝澤, 育子, 太田, 淳子, 青, 未空, 桒原, 晶子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」我々は最近, 自閉スペクトラム症(ASD; Autism Spectrum Disorder)患者において, ウェルニッケ(Wernicke)脳症, ビタミンB12・葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血, ビタミンA欠乏による眼球乾燥症・角膜潰瘍, ビタミンC欠乏による壊血病, ビタミンD 乏によるくる病などが報告されていることを紹介した. その中には, 現在では先進国においてみられないような, 生命に関わるような重症例も含まれていた. ASD患者においては, 特定の食品しか摂取しない極度の偏食がしばしばみられ, このためビタミンなど特定の栄養素欠乏状態に陥ったものと考えられる. 一方最近胎生期・新生児期のビタミンD欠乏がASD発症のリスクであることが報告されている. 近年ASD患者数が急増しており, ビタミンD欠乏/不足者の割合が世界的に非常に高いことも大きな社会問題となっている. この両者の関係は, 胎生期・新生児期におけるビタミンDの意義について, 重要な示唆を与えるものと考えられるので紹介する.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.96.1_10