成長期における食餌性リンによるα-klotho 発現制御

リン(Pi)は, 特に成長期において生物学的機能を維持するために必須の栄養素である. リンの不足は, くる病や骨軟化症といった骨ミネラル代謝異常を引き起こす一方, 食事からのリンの過剰摂取は腎機能障害や心血管疾患の危険因子となることが知られている. リンの恒常性維持は, 腸管からの吸収や腎臓での再吸収や排泄, 骨からの動員によって制御されている. 食事からのリン摂取量の増加は, 血中リン濃度の上昇とともに, 繊維芽細胞増殖因子(FGF23)や副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を引き起こす. FGF23はPTHと共に主要なリン利尿因子であり, 腎臓においてα-klothoを共役受容体としてFGFR...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2020/06/25, Vol.94(5-6), pp.324-327
Hauptverfasser: 多々納(福田), 詩織, 山本, 浩範, 中橋, 乙起, 吉川, 亮平, 林, 眞由, 岸本, 麻希, 伊美, 友紀子, 奥村, 仙示, 大西, 康太, 増田, 真志, 竹谷, 豊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:リン(Pi)は, 特に成長期において生物学的機能を維持するために必須の栄養素である. リンの不足は, くる病や骨軟化症といった骨ミネラル代謝異常を引き起こす一方, 食事からのリンの過剰摂取は腎機能障害や心血管疾患の危険因子となることが知られている. リンの恒常性維持は, 腸管からの吸収や腎臓での再吸収や排泄, 骨からの動員によって制御されている. 食事からのリン摂取量の増加は, 血中リン濃度の上昇とともに, 繊維芽細胞増殖因子(FGF23)や副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を引き起こす. FGF23はPTHと共に主要なリン利尿因子であり, 腎臓においてα-klothoを共役受容体としてFGFRを介して作用する. FGF23/α-klothoシグナルは, 腎臓における活性型ビタミンD合成酵素(Cyp27B1)やナトリウム依存性リン酸トランスポーター(Npt2a, Npt2c)の発現を抑制することで, 腸管でのリン吸収と腎臓でのリン再吸収を抑制し, 尿中リン排泄を促進する.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.94.5-6_324