高濃度アスコルビン酸は過酸化水素およびスーパーオキシドアニオンラジカルによる細胞死誘導と増殖抑制を介してヒト舌がん細胞への抗がん効果を発揮する

高濃度のビタミンCが, 様々な種類のがん細胞やin vivo腫瘍モデルに対して抗がん効果を発揮するというChenらの報告をきっかけに, 高濃度ビタミンC点滴療法が副作用の少ないがん治療法として再び注目され, 広まりつつある. これまでに様々ながんに対する臨床応用も試みられており, がんに対する補完的・代替的な治療法の一つとして期待されているが, 口腔がんに対する効果はよく知られていない. 高濃度ビタミンC点滴療法では, 点滴により血中ビタミンC濃度を400mg/dLなど経口摂取では到達できないレベルにまで高めることが抗腫瘍効果に重要とされているが, 口腔系のがん(特に上皮性腫瘍)に対しては,...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2018-06, Vol.92 (5/6), p.267-269
Hauptverfasser: 大和田凌平, 小関祐, 齋藤靖和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:高濃度のビタミンCが, 様々な種類のがん細胞やin vivo腫瘍モデルに対して抗がん効果を発揮するというChenらの報告をきっかけに, 高濃度ビタミンC点滴療法が副作用の少ないがん治療法として再び注目され, 広まりつつある. これまでに様々ながんに対する臨床応用も試みられており, がんに対する補完的・代替的な治療法の一つとして期待されているが, 口腔がんに対する効果はよく知られていない. 高濃度ビタミンC点滴療法では, 点滴により血中ビタミンC濃度を400mg/dLなど経口摂取では到達できないレベルにまで高めることが抗腫瘍効果に重要とされているが, 口腔系のがん(特に上皮性腫瘍)に対しては, 口腔内へビタミンCを直接投与することで容易に高濃度のビタミンCに曝露することが可能であると考えられる. そこで本研究では, 口腔がんに対する高濃度ビタミンCの可能性を探ることを目的に, 口腔がんの中で発生率が高いとされる舌がんに着目し, ヒト舌がん細胞に対する高濃度ビタミンCのがん細胞選択的な抗がん効果の可能性とその作用機序について検討した.
ISSN:0006-386X