ビオプテリン代謝異常症の臨床像と治療戦略

ビオプテリンは芳香族アミノ酸の水酸化酵素の補酵素としての重要な役割を担っており, その先天的な欠損症は特有の臨床像を呈する. 超希少難病であるため疑われず未診断症例も潜在的に存在する. 幸いにして, 一部の病型は, 新生児マススクリーニングの対象疾患に含まれているため, 乳児期早期の発症前に発見することができ, 適切な診断と治療により予後が劇的に改善できるようになった. ビオプテリンの代謝経路を概説すると, 補酵素として生理活性を有するのは, 還元型のテトラヒドロビオプテリン(BH4)で芳香族アミノ酸水酸化にかかわる. 生体内では一定のレベルのBH4を維持するために二つの代謝経路が存在する....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:ビタミン 2018-04, Vol.92 (4), p.185-186
1. Verfasser: 濱崎考史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:ビオプテリンは芳香族アミノ酸の水酸化酵素の補酵素としての重要な役割を担っており, その先天的な欠損症は特有の臨床像を呈する. 超希少難病であるため疑われず未診断症例も潜在的に存在する. 幸いにして, 一部の病型は, 新生児マススクリーニングの対象疾患に含まれているため, 乳児期早期の発症前に発見することができ, 適切な診断と治療により予後が劇的に改善できるようになった. ビオプテリンの代謝経路を概説すると, 補酵素として生理活性を有するのは, 還元型のテトラヒドロビオプテリン(BH4)で芳香族アミノ酸水酸化にかかわる. 生体内では一定のレベルのBH4を維持するために二つの代謝経路が存在する. 一つは核酸のGTPから複数の酵素反応を経て新規にBH4を生合成する経路(デノボ経路).
ISSN:0006-386X